「丁寧に」では伝わらない

それを読んだ時に「なるほど!」と思った。

 

なんの話かというと、子ども達の字が汚い時に「丁寧に書きなさい!」と言っても、子ども達には伝わらないよ、という話だ。

 

私も字が汚くて、同じように「丁寧に書きなさい」と言われて育った。でも、一向に上手にならず、母親から「あんたの字は汚いね。きょうだいの中で一番汚いよ。」と言われて、字を書くこと自体が嫌いになってしまった。

社会人になってからは上司に言われた。「字が汚いのが残念だね。」

だからパソコンが世に出てきて自分が使えるようになった時は、興奮したものだ。「これで字を書かなくて済む!」と。もちろん、「書く」のがゼロにはならなかったが。

 

そういう経験していても、我が子の字の雑さをみてつい言ってしまうのだ。「丁寧に書きなさい。」と。

 

じゃあ「丁寧に」ってどうやるの?心を込めて書く?気を配る?

 

自分でもあいまいすぎてわからないのに、子どもに教えられるはずもない。

 

違うテーマの読んだ本の中に、答えがあった。

「丁寧に」では伝わらないから、「ゆっくりと」と言えばよい。

 

なるほど!

確かに、漢字練習の宿題が出された子ども達が「まだ終わらなないの?」と声をかけたくなるほど時間をかけて書いたページはとても綺麗だ。

 

― 時間をかけて「ゆっくりと」書く ― 

 

それが字をきれいに書く、一番の近道なのかもしれない。